昭和14年7月23日の岩手日報より。

この時期、盛岡警察署ではスリのお縄が相次いでいたようで、7月21日午後に、岩手公園で行動の不審な青年を捕えたら、懐中から蟇口が3つも出てきた。

この男は函館生まれの25歳の男で、スリの前科5犯というしたたか者だった。

3月中旬から盛岡市内でスリを働いていたといい、岩手公園や盛岡市内の映画館といった人ごみで仕事をしていたといい、被害総額は300円にも上るという。

いわく、

どうも取る気が無くても財布がチラチラ見えたりすると無性に取ってみたくなります。
ことに夏場は薄着なので仕事にはもってこいです。

という。

捕まえたはいいものの、被害者が判然としないものもあり、盛岡署では心当たりの人に申し出るよう呼び掛けている。

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