盛岡高等農林学校校長「かえでから砂糖が取れますよ」

昭和16年12月5日の岩手日報より。

線前期の岩手県の最高学府と言えば盛岡高等農林学校であり、宮沢賢治もここを卒業している。
また、このブログの「教育」のカテゴリーのアイコンは、この盛岡高等農林学校の本館である。

この盛岡高農の上村勝爾校長は、構内のネグンド楓からヒントを得て、日本で多く産しているイタヤカエデから砂糖を取る実験をしたのだという。

いわく、
「かえでには「楓」という漢字をあてているが、あれは違う。
大楓子油を取るイイギリ科の木が「楓」なのであって、砂糖が取れるのは「槭」なのだ。
その槭にはいろいろと種類があるが、そのうち秋に紅葉しない(黄葉まではする)イタヤカエデから砂糖が取れる。
採取の時期は1~3月ごろ。 日中の気温が0℃以上になり、夜間は凍結する頃から始めて、芽が出るまでの間となる。
盛岡なら1月下旬~3月上中旬。
なぜ樹液が出るかというと、アメリカの学説では夜間に収縮した液が日中にあふれ出るからだと考えられている。
採取の方法としては、地上三尺に挿管して、その下に容器を置いて取る。
これで1季節で40リットルは採れる。
煮詰めれば美味な砂糖になる」

 

実際に、イタヤカエデからそんなに砂糖が取れるのかというと・・・

イタヤカエデの幹に傷を付けると、糖質を含む樹液が流れ出す。アイヌはイタヤカエデをトペニ(乳の木)と呼び、冬季の幹に傷を付けることで得た「甘いつらら」をアイスキャンデーのように賞味していた。サトウカエデにくらべて含有糖分がやや低いものの、イタヤカエデ樹液からもメープルシュガーを作ることは可能であり、第二次世界大戦直後の砂糖不足の時代に東北や北海道で製造が試みられたことがあるが、商業ベースには乗らずに終わった。 戦後も、他のカエデと同様に、イタヤカエデの樹液を活用する試みが、日本国内の各地で行われている。

 

 

 


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