旧軍人が集まって「岩手県護国同志会」結成大会、元陸軍参謀の辻政信も講演(昭和29年4月29日)

昭和29年4月30日の岩手日報より。

この頃、MSA協定(日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定)が国会を通過し「日本も再軍備か」という話題で賑わっていた時期である。

そのような雰囲気の中で迎えられた天皇誕生日の4月29日、岩手県公会堂で元将官や佐官・在郷軍人など300名が集まって「岩手県護国同志会」の結成大会を開催したのだという。

中には旧軍の軍服姿で出席した参加者もおり「閣下しばらくでありました」などとあいさつする者もいたという。

最後は「天皇陛下万歳」で幕を閉じたという。

午後は、旧軍の参謀でありこの当時国会議員になっていた辻政信による講演会が行われた。
辻は、この日の朝の5時47分に盛岡駅に夜行列車で到着していたのである。

記者の質問には以下のように回答していた。

  • 吉田内閣の防衛力増強とMSA協定の問題について
    • 現在、仏印の状況が悪化してアメリカは軍事的な介入をしようとしている。アメリカは日本の自衛隊も軍事介入に引き込もうとしているが、自衛隊は出すべきでない。MSA調印でも日米双方が「自衛隊は仏印に出兵しない」と言っている。
      出兵問題は個人の発言ではなく国民の総意で決めるべき。
      (注: 辻は「自衛隊」と言っているが、自衛隊の発足はこの年の7月1日)
  • あなたは中立武装論を唱えているが、この水爆時代の中立武装論とは?
    • 水爆は米ソが保有している。戦争が起こればその使用は避けられない。これを避けようというもの。
      スイスやスウェーデンでは米ソの決戦場に近いが巻き込まれないよう努力している。
      日本は米ソ対立の裏口だ。
  • 岩手県にも保安隊が来るが.。
    • 岩手県に保安隊が誘致されるというがそれは結構なこと。
      日本は常に直接的、間接的に脅かされている。
      特に北海道は日共の基地として活発な動きをなしている。
      日共の戦術に対し岩手にも保安隊を誘致すべき。

 

 


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