金田一京助「岩手大学の学長なんて絶対やりません」(昭和24年9月10日)

昭和24年9月10日の岩手新報より。

9月1日に岩手大学は開校したものの、学長就任問題というのがあったようである。

開校時点では、旧盛岡高等農林学校の鈴木校長が「事務取扱」として学長の業務を行っていた。
しかし、複数名の候補がおり、それぞれについて紛糾しており文部省としても誰にするか決めかねていたようである。

その候補に、岩手県出身の言語学者で東京帝国大学教授を退官していた金田一京助が上がっていた。
この時金田一京助67歳。

しかし都内在住の金田一本人は・・・

「郷里のためを思えばもっともだが、私には事務的な才能は無い。
また、こちらでやりかけの仕事が沢山ある。
私などより田中館愛橘博士のような元老を推薦した方がいいのではないか。
学長というのは事務的に多忙なので、その方面で有能な人材の方がいい。
そもそも文部省からも何も聞いていない」

 


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