仙人道路が開通する前の釜石までの交通状況(昭和34年8月22日)
1959年8月22日
2022年5月6日
昭和34年8月22日の岩手東海新聞より。
遠野と釜石を結ぶ道路は、9月の開業に向けて着々と工事を進めていた。
それまで、仙人峠はあまりに坂が急で車が通ることができなかったのだ。
それまで、仙人峠はあまりに坂が急で車が通ることができなかったのだ。
岩手軽便鉄道が走っていたころは、遠野側の仙人峠駅で降りて、標高887メートルの仙人峠を歩いて釜石側の大橋まで行っていたのである。
どうしても車で行きたければ、遠野と鵜住居を結ぶ笛吹峠を通っていかなければいけなかった。
その笛吹峠にしても、車同士がすれ違うことができず、なおかつ冬は通行止めになるような道路であった。
こうなると、冬に盛岡と釜石を行き来するためには、区界峠を通って都を回ってくるしかなかったと言うことになる。
あるいは、仙台方面から船を使ってくる位しかなかったであろう。
それが、1年を通じて車で盛岡と行き来できるようになると言うのだから、画期的なことであっただろう。
仙人トンネルは、昭和27年から今年の開削を開始し、昭和33年11月に完成した。
そして、東北ではじめての有料道路となる仙人道路は、遠野から釜石の行き来をそれまでの2時間から、1時間に短縮すると言う大きな効果をもたらすことになる。
日本道路公団で当初設定していた通行料金は以下の通り。
- 定期バス 400円
- その他のバス 450円
- 大型トラック 300円
- 大型乗用車 250円
- 小型乗用車 150円
- 軽自動車 50円
- 車両 30円
- 自転車 20円