花巻バスのストは泥沼化、どうしようもないのでトラックで通勤するサラリーマンも(昭和38年3月29日)

昭和38年3月29日の岩手日報より。

花巻バスの労働争議は泥沼化し、29日以降「無期限スト」の様相を呈してきた。

なぜこういう事態になったかというと、1月22日に岩手中央バスのストがあった際、中央バスに委託していた紫波町の通学バスを、花巻バスの貸し切りバスで運行しようとした。
いわゆる「スト破り」である。

しかし、花巻バスの労組委員長はこれを止めた。

会社側はこれに怒り、労組委員長を威力業務妨害で花巻警察署に告発し、なおかつ会社を解雇した。

組合側からすれば「委員長としての立場上、仕方なくやったのに・・・」ということである。

バスの運転手たちにそういう事情があったとはいえ、花巻市民、ひいては花巻バスが走っている北上市。石鳥谷町、大迫町、東和町、宮守村では大混乱に陥っていた。
そして何より、花巻には温泉地だってある。

花巻市長は「労使双方が信頼して任せてくれるなら調停に乗り出してもいいが」と言ってはいたが、組合側は「そもそも市長は花巻バスの株主ではないか」と、会社寄りの裁定を出されることを警戒していた。

たまりかねた市民は、もはやバスには頼らず自分たちでトラックを出して通勤することに。

 

後年、上述の花巻バスや岩手中央バスは合併して「岩手県交通」となるが、県交通になってからも「スト」は春の風物詩であったように思う。
こういうのがなくなったのはいつ頃のことなのだろうか・・・

 


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