岩手日報の編集局長が見たベトナム戦争(S41.1.11岩手日報)

1966年、ベトナム戦争が激しさを増す中で、岩手日報の渡辺編集局長が自ら現地でカメラに収めた光景が当時の紙面に生々しく記録されています。そこには戦時下の残酷な現実と、その傍らでたくましく生きる人々の日常が同居していました。

紙面の中で最も痛々しいのは、サイゴン市内の病院で治療を受ける二人の少年の姿です。ジャアディンの戦闘に巻き込まれ、足に重々しい包帯を巻いてベッドに座る子供たちの表情は、戦争がいかに罪のない命を犠牲にしているかを静かに訴えかけています。また、山岳地帯では大きな荷物を背負い移動する部族の姿もあり、彼らもまた陣営の対立という過酷な状況に翻弄されていました。

一方で、戦火のすぐ隣には信じがたいほど穏やかな時間が流れている瞬間もありました。サイゴンの街中にある喫茶店では、日曜日の午前中に着飾った女性たちが集まり、教会帰りに食事を楽しむ市民の姿が見られました。明日をも知れぬ不安な日々の中で、こうしたささやかなひとときが、当時の人々にとって唯一の心の拠り所となっていたことが伝わってきます。

メコンデルタの運河を行き交う小舟の風景も、一見すると非常にのどかなものですが、その背後には常にテロや殺し合いの危険が潜んでいました。岩手日報が伝えたこれらの写真は、遠い異国の出来事としてではなく、現地の息遣いを感じさせる貴重な記録として、平和の尊さを今に伝えています。


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