県立図書館が竣工(s42.12.31岩手日報)

昭和42年12月31日付の岩手日報には、年の瀬にふさわしい「祝・県立図書館竣工」の全面広告が掲載されていました。場所は盛岡市内丸、岩手公園(現在の盛岡城跡公園)内。年明けの昭和43年2月10日に開館予定とされており、県民にとっての新たな知の拠点の誕生が高らかに謳われています。

広告には、当時の岩手県知事・千田正による挨拶文も掲載されており、そこではこの図書館が「岩手人の教養と文化を象徴する壮麗な近代的建物」であると誇りを込めて語られています。設計監理は岩手県総務部管財課と菊竹清訓建築設計事務所。施工は高弥建設株式会社が担当し、全国広告として堂々たる仕上がりの図書館外観写真も添えられています。

この図書館は、長らく岩手県民に親しまれてきましたが、平成の時代に入り、より利便性を求めて盛岡駅西口の「アイーナ」内に新しい県立図書館が建設され、移転しました。それにともない、旧図書館の建物はその価値を見直され、現在では「もりおか歴史文化館」として再出発。藩政時代の南部藩の歴史や盛岡の文化を展示する拠点となり、今も市民や観光客に親しまれています。

半世紀以上を経てなお、内丸の地で役割を変えながらも地域文化を支え続けるこの建物。昭和42年の新聞広告は、その始まりの場面を切り取った、貴重な一枚といえるでしょう。


showa
  • showa

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です