史上最悪の交通事故多発年(S43.12.31)

昭和43年、岩手県内の交通事故は7,570件と過去最多を記録し、死者212人、負傷者6,294人にのぼった。特に8〜10月に多発し、8月には月間最多の863件、9月には死者が100人に達した。主因は自動車事故で全体の約6割を占め、酔っぱらい運転が435件(全国2位・東北1位)と突出。市町村道での発生も増加しており、子どもの死傷事故も多く、登下校中の被害が目立った。

県警は飲酒運転・無免許運転の取締りや「新入学児童を守る運動」を展開したが、根本的な改善には至らなかった。被害者救済として、葬祭・医療資金を無利子で貸す制度も新設。法改正では、道路運送車両法で安全基準14項目を追加、軽違反への反則金制度導入、業務上過失致死傷罪の刑罰強化、交通違反点数制度(15点で免許取消)導入などが実施された。

一方で、交通安全対策基本法案は国会で成立せず、昭和43年は「史上最悪の交通事故多発年」として幕を閉じた。


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