盛岡・痴情のもつれで殺人(S34.9.20)

昭和34年9月20日、盛岡市仙北組町の仙北小学校近くの畑で腐乱した女性の遺体が発見され、地元警察に届け出があった。発見者は近隣に住む女性で、遺体は藁の下に隠されていた。解剖の結果、遺体は19歳の女性で、1〜2か月前に死亡したと推定された。死因は腐敗が進んでいたため特定されなかった。

被害者は市内のバーで働く若い女性で、男性関係を巡るトラブルがあった。内縁関係にあった21歳のパチンコ店店員の男性は、被害者に新しい交際相手がいると疑い、執拗に追い回したり、頻繁に暴力を振るうようになっていた。被害者は友人に「夫(容疑者)は私が浮気したら殺すだろう」と漏らす一方で、容疑者の母親に相談して助けを求めていたが、状況は改善されなかった。

事件当夜、被害者と容疑者は口論となり、容疑者が被害者の着ていた服について「他の男が買ったのか」と詰問したことでさらに激昂。容疑者は衝動的に被害者を絞殺し、遺体を畑の藁小屋に隠したと自供した。彼の生い立ちは、厳格な教育者の家庭に育ちながらも、高校時代に婦女暴行事件で退学するなど問題行動が多く、生活態度は安定していなかった。

裁判では一審で懲役6年の判決が下されたが、控訴審で懲役8年に減刑された。この事件は、容疑者の歪んだ執着心と被害者との関係悪化が招いた悲劇であり、若さゆえの未熟さが背景にあったとされる。


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