日支事変2周年で飲食店ではアルコール自粛(S14.7.8岩手日報)

昭和14年7月8日付の岩手日報には、日中戦争の開戦から2周年を迎えた前日の岩手県内の様子が詳細に記されています。昭和12年7月7日の盧溝橋事件に端を発した事変の記念日として、県内では酒類の販売や飲酒を自粛する動きが徹底されました。

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記事の冒頭では、盛岡警察署管内において酒のサの字も見えないほど見事な自粛振りが発揮され、成績良好の大太鼓判が押されたと報じられています。第一線で奮闘する将兵の苦労を思い、感謝を捧げる一日とするため、市内のカフェーや飲食店、旅館などは警察署の指導に従ってビールを含むアルコール類を一切供さず、店頭には本日禁酒や本日休業の札が掲げられました。

中には自発的に店を閉める商店もあり、夜の街のネオンも消えてひっそりとしていたようです。飲食店ではお酒の代わりにサイダーを注文する客が相次ぎ、この方がアッサリしてよほど喉が助かると話し合う市民の様子も伝えられています。こうした自粛の広がりは、事変2周年という節目にふさわしい清々しい光景として肯定的に描かれています。

また、紙面の下部には当時の雪澤知事による郷土兵への感謝を込めた暑中見舞文が掲載されています。炎天下で戦う将兵の武運長久を祈り、銃後の守りを固める決意が綴られています。あわせて、県内の各学校で行われた記念式の様子も詳しく報じられており、武運長久の祈願や講演会を通じて、当時の緊迫した時局における国民精神の昂揚がうかがえる内容となっています。

当時の岩手県民が、娯楽を慎み一丸となって記念日を過ごした記録であり、戦時下の社会状況を如実に物語る貴重な資料と言えます。


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