お正月映画は「シミキン・ロッパの結婚狂時代」(S23.12.31新岩手日報)

【昭和レトロ】昭和23年大晦日の新聞広告に見る、盛岡・内丸座の「初笑い」

古い新聞をめくっていると、時を越えて当時の熱気が飛び込んでくることがあります。

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今回ご紹介するのは、昭和23年(1948年)12月31日付の「新岩手日報」に掲載された映画広告。終戦からわずか3年、復興へと向かう盛岡の街で、人々が心待ちにしていた「お正月」の風景が凝縮された一枚です。


1. 二大喜劇王の「大顔合せ」!シミキンとロッパ

広告の主役は、なんといっても当時の喜劇界を二分したスター、「シミキン」こと清水金一「ロッパ」こと古川ロッパです。

上映作品:『結婚狂時代』(松竹映画)
キャッチコピー:「揃ひも揃った花形オンパレード」「歌とロマンスの松竹映画豪華大作」

左側には眼鏡がトレードマークのロッパ、右側にはベレー帽(?)を被ったおどけた表情のシミキン。この似顔絵のタッチだけでも、当時の劇場の賑やかさが伝わってくるようです。

2. 舞台は盛岡の娯楽の殿堂「内丸座」

上映場所は、盛岡市中心部にあった「内丸座」。広告には「明日ヨリ(元旦から)」と誇らしげに書かれています。

現在は官庁街として落ち着いた雰囲気の内丸地区ですが、当時はこうした映画館や芝居小屋が軒を連ね、正月ともなれば晴れ着姿の人々で埋め尽くされていたといいます。戦後の物資不足や混乱の中でも、お正月の「初笑い」だけは欠かせない娯楽だったのでしょう。

3. 広告のデザインに注目

注目したいのは、タイトル『結婚狂時代』を囲むひし形のデザイン。非常にモダンで力強いタイポグラフィです。また、脇を固める出演陣にも「堺駿二(堺正章さんの父)」や「水の江瀧子」といった、時代を彩った名が見て取れます。

この時代、テレビはまだ普及していません。新聞の片隅にあるこの小さな広告こそが、当時の人々にとって最高のワクワクを届ける「招待状」だったのです。

昭和23年の大晦日。盛岡の人々はこの広告を見ながら、どんな夢を描いて新年を待っていたのでしょうか。

セピア色の広告は、単なる記録以上の物語を私たちに語りかけてくれます。


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