盛岡・御園座で「情恨」「曲馬団の秘密」公開!(S5.3.28岩手日報)

昭和5年3月28日の岩手日報より。

盛岡の御園座では、この日から二本立てで映画を公開していた。

一本目は『情恨(じょうこん)』。昭和5年(1930年)2月7日に公開されたばかりのマキノ映画で、マキノプロダクションの松浦築枝(まつうら・ちくえ)と南光明(みなみ・こうめい)が主演している。仏寺を舞台に、因縁と復讐が交錯する情念劇で、「当年涙紅涙の人情劇」と銘打たれている。

もう一本は洋画『曲馬団の秘密(きょくばだんのひみつ)』。原題は The Iron Test で、1918年(大正7年)公開のアメリカ映画。レッド・マスクなる謎の人物が登場する活劇で、サーカスを舞台にした空中大事件のサスペンス映画として紹介されている。

大正から昭和へと時代が移りゆく中、邦画と洋画が並列して上映されるのは当時の地方劇場における定番の興行形態であり、御園座でも最新邦画と10年以上前の輸入洋画をうまく組み合わせて観客を呼び込んでいたことがわかる。


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