花巻電鉄でボギー車運転のため交換停留場の有効長延長工事(S5.3.28岩手日報)
1930年3月28日
2025年8月3日
昭和5年3月28日の岩手日報より。
花巻温泉への足として知られた花巻電鉄では、春の湯治シーズンに向けて輸送力の増強が図られていた。
記事によれば、花巻電鉄では3両連結のボギー車(台車付き大型車両)を導入し、これを運行する計画である。そのため、交換停留場(列車同士の行き違いを行う場所)の有効長を延長する工事に着手したという。これは列車の長さが従来よりも長くなるため、停車可能な距離を確保する必要があったからである。
工事は順調に進んでおり、4月中旬には完成の見込みとのこと。温泉客や観光客で賑わう春の行楽シーズンに向け、花巻電鉄は着々と準備を進めていたのである。昭和初期における地方私鉄の、柔軟で意欲的な対応を伝える記事である。