凶作だった東北6県でなぜか郵便貯金の総額が増加
1935年2月8日
2021年10月25日
昭和10年2月8日の読売新聞より。
前年は東北6県は凶作であった。
しかし、仙台貯金支局で発表したところによると、昭和10年1月末現在の貯金額は160,837,346円(+2,154,451円)、人員は2,948,913人(+17,500人)であったという。
もともと東北地方の貯金は貧弱であったところ、凶作でもっと減るだろうと予測していたらかえって増えたのだという。
これは貯金局としても意外なことであった。
県別にみると以下の通り。
県名 | 現在 | 前月比 |
宮城 | 25,178,973 | +252,534 |
福島 | 38,917,973 | +492,902 |
岩手 | 22,852,815 | +403,282 |
青森 | 24,486,093 | +573,896 |
山形 | 16,126,994 | +121,025 |
秋田 | 13,274,528 | +299,812 |
意外や意外、最も貯金額が伸びたのは、最も凶作であった青森県だったというのである。
逓信省貯金局集計課長は、
「このことは集計事務に携わっている者は原因が分からず驚いている。だからといって實は凶作ではなかったということはできないだろう。著しい凶作であった岩手県の伸びが好調であった。これは研究に値する」
とコメントした。