自治制発布50年記念式典で全国の町村長の総代として上閉伊郡金沢村長が挨拶

昭和13年4月18日の読売新聞より。

明治21年(1888年)に町村制が発布され、昭和13年で50周年を迎えることとなった。

そこで、内務大臣の招待を受けた69町村、個人352名の総代として、明治25年から46年の長きにわたって村長の座にあった、岩手県上閉伊郡金沢村の兼沢福次郎村長(77歳)が挨拶を述べた。

色褪せたモーニングを着て、読売新聞の書きぶりをそのまま抜き出すと、

全くハァ光栄の至りでガス
私のような者がハァどうも有難いことでガス、
私のやうな者よりもっと功労のある人が沢山見えるのに年寄りの私が…
全く一世一代の光栄でガスヨ、
私が役場の御厄介になった頃はハァ四十戸あまりの小さい村ぢゃったが今は二百戸ばかりになった人口も一千余りの村になりましたが、山の中の村には酒屋だの豆腐屋だのいうふものはねェんでスヨ、
旧の正月には七、八里先から酒屋がやって来るかこちらから買ひに行く田舎でがして、村からもこんどは○○名出征しやしたが村民は一致して銃後を守ってをり、ますぢゃ
この光栄を村へ帰って村民に報告したら村の者もどんなに喜びますことやらハイ…

と感激しきりであった。

 

 

 


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