釜石鉱山~製鉄所の社線を早く撤去してください・・・(昭和36年7月22日)

昭和36年7月24日の岩手東海新聞より。

花巻~釜石の国鉄釜石線が全通してすでに10年以上が経過していたが、陸中大橋の釜石鉱山から釜石製鉄所への鉄鉱石輸送は、相変わらず道路上に敷設していた「社線」で行っていた。

並行しており線路の幅も広い国鉄で運べばいいものを、わざわざ社線のままにしていた理由は「製鉄所構内の配線を付け替えてなかったため」。

しかし、昭和34年に仙人トンネルも開通し、社線の鉄鉱石列車が路面電車ばりに走っていた県道盛岡花巻釜石港線(後年の国道283号線)は、渋滞の一途であった。

この問題は、社線を撤去して鉄鉱石を国鉄で運ぶようにすれば解決するのである。

そこで、7月22日に「社線撤去促進協議会」は釜石市役所に撤去の陳情に行くことにした。

県道を管理する県道路都市課長は、「撤去の話は昭和26年ごろから始まり、昭和34年頃から必要性が強調されてきた。県と製鉄所の間でも協議してきた。これは3分の2の国庫補助金を必要としており、おととい建設省の係官2名が視察に来て、建設省・会計検査院・大蔵省も理解している。昭和38年度からは社線撤去に入りたい。問題は製鉄所の構内施設を変えること。簡単にはできないが・・・」

釜石市の助役は「社線の撤去は釜石市の生命線。市は当事者ではないが受益者。釜鉄には早期撤去をお願いしている。県道拡幅のうえでも必要」とコメントした。

 

 

 


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