自称坊主が自費出版「生きる力」を刑務所官舎で押し売りして御用(昭和14年7月18日)
1939年7月18日
2021年12月20日
昭和14年7月19日の岩手日報より。
7月18日の午前中、盛岡少年刑務所の官舎で、ヘルメットに法衣姿の自称坊主が、「生きる力」という自費出版を押し売りして歩き、官舎の主婦たちはそれぞれの旦那である所の刑務所看守に連絡してすぐに御用になったという。
この自称坊主は高知県幡多郡出身の男で、盛岡少年刑務所付近の官舎で焼酎5合を飲んだ勢いで、自分が思うところあって書いた「生きる力」というパンフレットを売って歩いていた。
捕まったその男は「わしは以前マルクス主義でお縄を頂戴したが、その後感ずるところあり、この『生きる力』を書いた。わしの主唱する宗教『生きる力』は東京方面に共鳴者が各方面にいるのだ」と自説を開陳していた。