附馬牛村の異父妹殺し(S26.12.3)
1951年12月3日
2025年8月26日
昭和26年12月3日、岩手県上閉伊郡附馬牛村(現・遠野市附馬牛)で、母親への強い恨みを抱いた男が、母親が愛情を注いでいた異父妹(当時11歳)を殺害する事件が発生しました。
この男は昭和4年生まれで、岩手県気仙郡越喜来村(現・大船渡市三陸町越喜来)中崎浜の漁業を営む家庭に幼少期に引き取られました。この家で育ち、地元の小学校を卒業後は漁業に従事していましたが、自身がその家の実子ではないことを知り、19歳でその家を出ました。その後は各地を転々としながら漁業、農業、製炭、土木作業などをし、不安定な生活を送っていました。
昭和21年頃、男は実母が附馬牛村で再婚していることを知り、母親の家を訪ねるようになりました。しかし、母親との関係は良好ではなく、小言や叱責を受けるたびに母親への恨みを募らせていきました。
昭和26年12月3日の午前10時頃、母親との口論の末、母親を殺害しようと考えましたが、最終的に母親が愛する異父妹を殺害することで母親を苦しめようと決意。同日午後3時半頃、異父妹が通う東禅寺小学校大出分校を訪れ、母親が用事があると嘘をついて妹を誘い出し、学校近くの早池峯神社の境内に連れて行きました。神社の拝殿内で妹を押し倒し、持参した縄を使って首を絞め、窒息死させました。
犯行後、男はすぐに逮捕され、昭和27年6月12日に盛岡地方裁判所で懲役15年の判決を受けました。その後、控訴しましたが、同年11月8日に仙台高等裁判所で控訴棄却の判決が下されました。