写真記事:岩手放送テレビが放送開始(S34.9.1岩手日報)
1959年9月1日
2026年3月14日
【昭和34年】岩手にテレビの歌声が流れた日:岩手放送(IBC)開局の記憶

古い新聞の切り抜きを整理していたら、歴史的な一枚が出てきました。昭和34年(1959年)9月1日付の岩手日報です。
見出しには力強く、「岩手放送テレビきょう開局」の文字。当時は「ラジオ岩手」から「岩手放送」へと社名が変わったばかりのタイミング。まさに岩手のメディア史が塗り替えられた瞬間です。
紫波・新山から放たれた「希望の電波」
この紙面で最も象徴的なのは、右側に大きく掲載された送信所の写真です。場所は盛岡の岩山ではなく、紫波郡水分村(現在の紫波町)の新山(しんざん)山頂です。
- 標高848メートルの挑戦: 当時の最新鋭、高さ45メートルのアンテナ塔が新山にそびえ立ちました。ここから岩手県内一円(当時の全世帯の約64%)へ向けて、初めて民放の電波が放たれたのです。
- 技術の結晶: 山頂という厳しい環境での建設。当時の技術者たちが「岩手の隅々まで届けたい」という願いを込めて築き上げた、まさに岩手テレビ放送の原点といえる場所です。
紙面から伝わる現場の熱量
写真には、当時の「最新鋭」が詰め込まれた現場の様子が克明に記録されています。
| 写真の場所 | 見どころ |
|---|---|
| スタジオ(⑤) | 「JODF-TV」の文字が入った重厚なカメラ。ライトを浴びる出演者の緊張感が伝わります。 |
| マスター室(⑥) | 放送の心臓部。数多くのモニターとスイッチが並び、技術者たちが目を光らせています。 |
| フィルム送像機(③) | 当時はフィルム放送が主流。巨大な機材が整然と並ぶ様子は圧巻です。 |
昭和34年という時代
この年は皇太子殿下(上皇さま)と美智子さまのご成婚があった年。それをきっかけに日本中でテレビが爆発的に普及しました。岩手の人々にとっても、「新山から電波が来るぞ!」とアンテナを見上げたあの日、ブラウン管に映る砂嵐が鮮明な映像に変わった瞬間の感動は計り知れないものだったでしょう。
