日中戦争・第2次世界大戦

盛岡駅「乗車券発行制限で定期券の購入が増えたのはいいんですけど…」(昭和20年8月10日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡駅「乗車券発行制限で定期券の購入が増えたのはいいんですけど…」(昭和20年8月10日)

昭和20年8月10日の新岩手日報より。 盛岡駅の統制官は言う。 「最近、乗車券の発行制限の強化で定期券の購入がやたら増えたのですが、その定期券購入所だって登録した役所とか病院に限ってますが、その申請書を出していないところが、特に盛岡に多いので支給申請してください。 これまでは申請が無くても特別に発行…
扶桑第六〇一工場(場所不明)「お願いだから戻ってきて!逃げ出したことはもう何も言わないから!」(昭和20年8月10日) e釜石・遠野・上閉伊郡

扶桑第六〇一工場(場所不明)「お願いだから戻ってきて!逃げ出したことはもう何も言わないから!」(昭和20年8月10日)

昭和20年8月10日の新岩手日報の広告欄より。 「扶桑第六〇一工場」というところが従業員に呼びかけている。 どこの工場なのかはこの広告からは読み取れない。 現代語訳するとこんな感じだろうか。 離職したみんな、私たちは工場復旧と生産に奮闘している。 すぐに復帰してほしい。 今日勤務したかしないかは、明…
上閉伊郡栗橋村では割当量の234%の松根油生産!(昭和20年7月12日) e釜石・遠野・上閉伊郡

上閉伊郡栗橋村では割当量の234%の松根油生産!(昭和20年7月12日)

昭和20年7月12日の岩手日報より。 4~6月の第1期の松根油生産において、県下で最も優秀な成績をあげたのは上閉伊郡栗橋村で、割当量の実に23割4分の生産を達成したという。 これは、責任者が滅敵の闘魂を燃やして2里(8km)の道を、未明から夜の8時まで何があっても帰宅せずに奮闘したからであるという。…
二戸郡福岡では松根油生産死守に「七人の侍」(昭和20年7月12日) b二戸・二戸郡

二戸郡福岡では松根油生産死守に「七人の侍」(昭和20年7月12日)

昭和20年7月12日の岩手日報より。 石油の採れない日本では、「ガソリンの一滴は血の一滴」で、木炭ガスで自動車を動かし、松根油で飛行機を飛ばそうとしていた。 この状況であるにもかかわらず、二戸郡福岡町の松根油生産状況は芳しくない状況であった。 そこで、福岡町農業会長は二戸国民動員署にこの実情を訴え、…
仙台鉄道局では7月11日~9月10日を「極限的輸送力増強期間」とする(昭和20年7月10日) l全県

仙台鉄道局では7月11日~9月10日を「極限的輸送力増強期間」とする(昭和20年7月10日)

昭和20年7月10日の岩手日報より。 仙台鉄道局では、戦時体制の維持の為に、7月11日~9月10日を「極限的輸送力増強期間」と定めることにした。 これは、軍需省(昭和18年に商工省から改組)の定める重要資源と、食糧以外の輸送を極力抑制し、それ以外の貨物の受付を場合によっては拒絶するというもの。 また…
代用食、代用醤油のレシピ(昭和20年7月10日) d宮古・下閉伊郡

代用食、代用醤油のレシピ(昭和20年7月10日)

昭和20年7月10日の岩手日報より。 前年の11月に東京から疎開してきた書道家は毛筆をあっさり捨てて、宮古翼壮松根油工場で働いているという。 その奥さんは、日々の食事のことを常に考えていた。 この際、嗜好本位を捨てて栄養本位で考えないといけない。 道端の草には食べられない草より食べられる草の方が多い…
水沢では灯火管制の反則36件(昭和20年7月6日) h水沢・江刺・胆沢郡

水沢では灯火管制の反則36件(昭和20年7月6日)

昭和20年7月10日の岩手日報より。 水沢警察署では、水沢町内の灯火管制の状況を点検したら、36件の反則があった。 電球に直接覆いを掛けているもの 片側だけ遮光しているもの 全く遮蔽をせずに雨戸だけ閉めているもの このために電球40個を押収した。 反則者は疎開者が多かったという。 言い訳としては「資…
宝くじのルーツは戦時中の「勝札」(昭和20年7月2日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

宝くじのルーツは戦時中の「勝札」(昭和20年7月2日)

昭和20年7月2日の岩手日報より。 盛岡煙草販売組合では、「7月攻勢」の目標に、①アルミ貨回収、②勝札売り捌き を決定した。 ①アルミ貨回収というのは、当時の10銭以下の小銭がアルミニウムでできていたところ、戦闘機の製造にアルミニウムが不足していたので貨幣は錫で製造することとし、アルミニウムの小銭は…
県「木炭増産の為に窯を増設しましょう!清酒や衣料品の配給を増やしますよ!」(昭和20年7月2日) l全県

県「木炭増産の為に窯を増設しましょう!清酒や衣料品の配給を増やしますよ!」(昭和20年7月2日)

昭和20年7月2日の岩手日報より。 木炭の需要はいやがうえにも高まっていた。 家庭用に使うだけではなく、自動車を動かす、製鉄用の燃料といった用途でも使うようになっていた。 昭和20年度の生産目標は1114万俵となっていた。 そこで、7~8月を「緊急築窯期間」と定め、増産を図ることとした。 窯の増設に…
釜石憲兵分隊「灯火管制を守らなかったり、裏山に逃げ回ったり、何たる不心得!」(昭和20年6月29日) e釜石・遠野・上閉伊郡

釜石憲兵分隊「灯火管制を守らなかったり、裏山に逃げ回ったり、何たる不心得!」(昭和20年6月29日)

昭和20年7月2日の岩手日報より。 6月29日夜、釜石に敵機の偵察があったのだという。 ところが、その時に灯火管制を守らず注意された家は20戸、始末書を取られたのが16戸あったという。 中には「暑い」と言って雨戸を開放して消灯しており、いざという時に思わず点灯してしまうという家もあったという。 そう…
盛岡空襲 a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡空襲

昭和20年3月10日、東京大空襲と同じ日に盛岡でも空襲があった。 翌3月11日の岩手日報では、裏面のトップでそれほど大きい扱いではないが、「本県に醜翼をあらわし盲爆を落とし、あわてふためきながら海上に脱去した」と、あくまで敵を醜悪に表現することにこれ努めたている。 「それでも市民は戦った」と、被害状…
防寒着や飛行服のためにヌートリアを飼育しましょう!(昭和19年12月1日) l全県

防寒着や飛行服のためにヌートリアを飼育しましょう!(昭和19年12月1日)

昭和19年12月1日の新岩手日報より。 広告欄には飛行服のためにヌートリアの飼育を奨励する広告。 ヌートリアは良質の毛皮になるので、飛行服や防寒着用に飼育を奨励されていた。 しかし、平成以降は「特定外来種」として農作物を食害する害獣として忌避されることになる。 人間の罪深きことよ・・・  …
決戦時の食糧事情に鑑み、野生のトコロ芋でパンを作りましょう(昭和19年8月2日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

決戦時の食糧事情に鑑み、野生のトコロ芋でパンを作りましょう(昭和19年8月2日)

昭和19年8月3日の岩手日報より。 8月2日、盛岡市で婦人常会が開かれたが、その席上で、営団理事長が「現下の食糧事情について」と講演を行ったという。 記事では「営団」とだけ書いているものの、平成16年(2004年)まで存続した「営団地下鉄」ではないようで、おそらくは食糧管理法(昭和17年2月21日法…
盛岡婦人常会で「お盆も決戦型に」と決議(昭和19年8月2日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡婦人常会で「お盆も決戦型に」と決議(昭和19年8月2日)

昭和19年8月3日の岩手日報より。 盛岡市の8月婦人常会が、8月2日に市役所で開かれた。 婦人隣組常会には時々班からも出席してもらいます。 常会で相談した事はどの程度実践されているか、次の常会で反省しあうことにしましょう。 これに対し「ハイ実行いたします」で可決したという。 盂蘭盆行事に関しては、 …
東磐井郡の大日本婦人会員が傷痍軍人に蕨・ぜんまいを贈る(昭和19年8月1日) j東磐井郡

東磐井郡の大日本婦人会員が傷痍軍人に蕨・ぜんまいを贈る(昭和19年8月1日)

昭和19年8月1日の岩手日報より。 東磐井郡下の大原・興田・折壁・奥玉・大津保・田河津・猿沢・長坂・舞川・門崎・渋民の各村の大日本婦人会支部員は、ワラビやゼンマイを採取しこれを乾燥したものが150貫(562.5kg)に達したので、これを傷痍軍人の為に送ることにした。     &n…
目指せ海軍少年兵!仁王国民学校では猛訓練(昭和19年8月1日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

目指せ海軍少年兵!仁王国民学校では猛訓練(昭和19年8月1日)

昭和19年8月1日の岩手日報より。 8月下旬に行われる海軍少年兵の採用試験に向け、盛岡市内の高等科のある小学校では猛訓練が繰り広げられていた。 仁王国民学校では4月から下準備を開始し、7月中旬からは学科の終了後に訓練を行うようになっていた。 盛岡国民学校でも、8月1日~3日、8月8日~11日を海軍少…
盛岡国民学校から予科練に入った5名が母校を訪れる(昭和19年7月31日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡国民学校から予科練に入った5名が母校を訪れる(昭和19年7月31日)

昭和19年8月1日の岩手日報より。 この時期、尋常小学校や高等小学校は「国民学校」に名を変えており、下の橋のたもとにある盛岡高等小学校は昭和15年に「盛岡国民学校」に名前を変えていた。 この盛岡国民学校を卒業し海軍予科練習生となっていた5名が、7月31日に母校に里帰りしたのだ。 今でいえば「ホームカ…
⚪︎⚪︎市出身で郷土⚪︎⚪︎部隊に入営する早稲田大学学徒(S18.12.1新岩手日報) a盛岡・岩手郡・紫波郡

⚪︎⚪︎市出身で郷土⚪︎⚪︎部隊に入営する早稲田大学学徒(S18.12.1新岩手日報)

この年の10月21日、東京の明治神宮では学徒出陣壮行式が行われた。 岩手日報でも、早稲田大学の学生が郷土の連隊に入隊したということが報じられているが、「⚪︎⚪︎市出身で郷土⚪︎⚪︎部隊に入営した早稲田大学学徒が八幡宮にお参り」とは行っても、この当時県内で市制していた市(盛岡・釜石・宮古)で軍隊も八幡…
外地派遣日赤岩手支部看護婦の壮行式(昭和18年4月16日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

外地派遣日赤岩手支部看護婦の壮行式(昭和18年4月16日)

昭和18年4月17日の新岩手日報より。 外地派遣日赤岩手支部看護婦の壮行式が、4月16日の午前11時15分に日赤岩手支部の行動において行われた。 まずは、外地に旅立つ書紀や婦長を先頭に白衣の天使たちがさっそうと入場した。 そして、岩手県内政部長の訓示などが行われた。 これに先立って、護国神社いや八幡…