花巻川口町の役場新築問題(S2.1.7岩手日報)
1927年1月7日
2025年12月2日
昭和29年、花巻町を中心とした周辺町村が合併し、現在の花巻市が誕生した。しかし、その少し前の昭和4年までは、花巻町と花巻川口町の二つに分かれていた時期があった。
今回紹介する昭和2年の記事は、その花巻川口町の役場庁舎の建て替え問題を扱ったものだ。

当時、役場の新築計画が必要とされていた背景には、町財政を圧迫するいくつかの出来事があったという。
まず、大正15年(1926年)に起きた洪水で、現在の豊沢川に架かる不動大橋にあたる不動橋が流失し、その架け替え費用が重くのしかかった。
さらに、鳥が崎神社の新築に際して寄付金を負担したことも、町の懐には痛手だったらしい。
こうした事情から、役場庁舎の建設は一度に進められず、2カ年継続事業として計画されることに。記事によれば、計画中の新庁舎は約50平方メートルの規模で、鉄筋コンクリート造・2階建てになる見込みと伝えられている。
大正末から昭和初期にかけて、花巻周辺は近代化と都市機能整備が進む一方、財政的な制約とも向き合わねばならなかった。その一端を示すのが、この花巻川口町役場の建て替え問題だったのだろう。
当時のまちづくりの息遣いが伝わる、小さな記事である。