西磐井郡老松村から少年航空兵(S5.3.1岩手日報)
1930年3月1日
2025年8月2日
昭和5年、岩手県内では海軍志願兵に対する徴募検査が各地で行われていた。そのうち西磐井郡では、一関小学校を会場として検査が実施され、多くの若者が海軍各部門への志願に臨んだ。
この検査で、当時の西磐井郡老松村(現在の一関市花泉町)出身の中村一男君が、少年航空兵に合格したことが報じられている。
少年航空兵制度は、昭和5年に正式に導入された新制度で、将来の海軍航空隊の要員を若年から計画的に育成するために設けられた。対象は15歳前後の少年で、全国的に見ても狭き門であり、身体・知能・適性のすべてに優れた者が選抜された。
記事によると、この検査では他にも準電作業兵・機関兵・電信兵・水兵・主計兵などに多数の合格者が出たが、少年航空兵としての合格は特に注目されたものであった。中村一男君の合格は、地域の誇りとして受け止められたことだろう。
軍人が尊敬を集め、航空技術が近代の象徴とされた昭和初期。その最前線を目指す少年の姿は、当時の希望と緊張を象徴している。