蜀黍(コーリャン)からで糖蜜を作れば岩手でも砂糖は自給できる!(昭和19年8月1日)

昭和19年8月1日の岩手日報より。

かつて、東北には「東北開発株式会社」という国策企業があった。
これは、昭和8年の三陸大津波や昭和9年の大冷害など、東北地方を襲った災害や飢饉に対し、国が東北地方の開発の重要性に鑑み昭和11年に「東北興業株式会社」として創設したものである。

だから、国先企業とはいえ創立時は戦時体制とはさほどかかわりはない。

しかし、いったん戦争が始まってしまうと、戦時体制への協力に性格が変わっていくことになる。

その東北興業岩手出張所長は農林技師であった。

その所長は「ソルガムシュガーという蜀黍の栽培に成功した。インドが原産であるが支那や北米でも盛んに栽培されている。砂糖より甘度が高く、本県のような寒冷地での栽培に適している。砂糖が充分な時代ではないので、なんでも自給自足しないといけない。無い無いと言って不平不満を言うより工夫で何でもできるはず」といってソルガムシュガーを推薦する。

このソルガムシュガーとは、あの社会の教科書で出てきた「こうりゃん」そのものである。

 

しかし、この所長の推薦の弁も「コウリャンが無くて済むならそうしたいが、今はこれしかない」というニュアンスに聞こえなくもないが、どうだろう?

 


showa
  • showa

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です