新盆に初穂 声に出して読みたい盛岡弁

終戦の日、つまり昭和20年8月15日の新岩手日報では、盛岡郊外の農家を取材している。

「この初穂、見でくなんせ。お盆に穂が出だら豊作でがす」

終戦の年は暑い夏だったといろいろな所で報告されている。

稲作は豊作の兆しであった。

「わしと同じ様にこの田を耕した祖先や戦死した倅も新盆で家に来てこの出穂をみて喜んでゐますべえ」

おそらく、新聞向けに標準語に寄せた盛岡弁ではあると思うが、雰囲気は十分に出ている。

ただ、本来は田を守るべき働き手の長男までが出征して戦死しているという事実。
老爺が田を耕しているというのは、つまりそういうことなのだ。

 

 


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