九戸地区の巡回映画(S30.6.11デーリー東北)

昭和三十年六月十一日のデーリー東北には、岩手県ゆかりの話題として「巡回映画」の予定が掲載されていた。今回の巡回は久慈を中心に行われるもので、六月十七日までは久慈市、十八日から二十日までは種市町、二十一日は大野村、二十二日から二十八日までは軽米町、二十九日は山形村と続く。上映される作品は、稲作をテーマにした「稲の一生」、人気球団・東京巨人軍の記録もの、阿寒湖のまりもを扱った作品、「スクリーンレポート」、そして漫画映画という五本立てで、農村部の貴重な娯楽として喜ばれていた様子がうかがわれる。

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紙面で大きく扱われていたのは、岩手のお隣・青森県の話題だった。日本赤十字社による無料巡回診療車「白い羽根号」が五戸町に到着したという記事で、写真には診療車の前に集まった子どもたちの姿が写っている。地方の医療が十分でなかった時代、こうした巡回診療は地域の人々にとって心強い存在だったことが想像できる。昭和三十年当時の北東北の暮らしぶりや、地域に届けられていた娯楽・医療支援の姿が伝わってくる紙面だった。


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