盛岡・川徳デパートで「現代っ子Vルック」(S42.11.4岩手東海新聞)

昭和42年11月4日の岩手東海新聞に掲載された広告より、盛岡の老舗百貨店・川徳による子ども服「現代っ子ルック」の紹介です。

盛岡の川徳百貨店が、釜石地域の読者向けにも広告を展開していたことがわかるこの紙面。「新しい時代の新しい子供に新しい服装を」と掲げたこの広告は、当時の子ども服に対する意識の変化を感じさせるものです。

注目されているのは「現代っ子ルック」。これは、テイジンのポンネル素材を使った子ども服で、全国2万9千名の母親たちから寄せられた意見やアイディアを基に開発されたとされています。着やすさ・動きやすさ・丈夫さを兼ね備えた、いわば「昭和のアクティブキッズ」のためのファッションといった趣向。

価格帯は以下のように紹介されています:

  • 女児スーツ(現代っ子ルック)……3,400円より
  • 女児スカート(現代っ子ルック)……1,300円より
  • 女児スカート(現代っ子ルック)……1,800円より
  • 男児児童服(現代っ子ルック)……3,500円より
  • 男児ズボン(現代っ子ルック)……1,800円より

「お母さまのアイデアを生かした現代っ子ルック」というコピーが印象的で、子ども本人ではなく、家庭内での母親の購買力・意見が重視されていた当時の文化も垣間見えます。

またこの広告は、川徳百貨店のイベント情報も併せて掲載しており、「躍進岩手の物産まつり」や、テイジンによる「健康肌着宣伝会」の開催案内もあります。釜石の新聞紙面にこれらの案内を載せることから、当時の岩手県内での商圏の広がりや川徳の影響力の大きさが見てとれます。

「現代っ子」という言葉にも、昭和中期の価値観がにじんでおり、モダンさ・知性・活動的といった要素が子ども服にも投影されていたことが伺えます。現在の視点から見るとレトロながらも、未来への希望が込められた、そんな時代の空気を感じさせる一枚です。

 

 

 

 

 


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