釜石・東殖デパートでは師走を前に全品2割引き!(昭和42年11月10日)

昭和42年11月10日の岩手東海新聞に掲載された、釜石・大渡町の「東殖デパート」の広告から、当時の年末商戦の様子が垣間見えます。

この広告は、「日頃のご愛顧に応えて東殖が師走前にメーカーと協力で奉仕する3日間!」と題し、11月11日から13日までの3日間限定で、全品2割引という大規模なセールを告知しています。広告には「どの商品も今年のモノばかり──秋冬物を店内いっぱい」と書かれており、仕入れも含めて相当力の入ったイベントであったことがわかります。

取り扱い品目には、紳士用の毛糸シャツ・綿シャツ・背広上下などのほか、婦人用の高級服地やコート地、ビロード・ベルベットなどの秋冬素材、さらには新柄ソール地といった流行の布地まで、まさに「衣料品のデパート」としての品ぞろえを誇っています。

右側には教会を背景にした女性のイラストが添えられ、海外風の冬の装いを連想させるような演出も見られます。こうしたビジュアルも、地元女性たちの「おしゃれ心」をくすぐったのかもしれません。

広告に記された店舗名は「東殖(とうしょく)」。釜石・大渡町に位置し、当時は「TEL 830」と電話番号が記載されていることからも、まだ市内3桁時代の電話番号であることがうかがえます。

戦後の復興から安定成長へと向かう中で、地方都市にも都市型デパートが根づいていった昭和40年代。こうした「◯割引大奉仕」の広告は、年末を控えた町の賑わいを象徴する存在でした。

 


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