釜石・浜千鳥の酒かすでうまい料理を!レシピあり(S42.11.16岩手東海新聞)

昭和42年11月16日の岩手東海新聞より。釜石の蔵元・浜千鳥酒造では、ふみ粕(酒粕)を使った家庭料理のレシピを紹介していた。内容はどれも手軽にできるものばかりで、保存食としての知恵も含まれている。

かす汁は、好みの魚や野菜を大きめに切って煮て、酒粕と塩・味噌で味を調えるというもの。味噌を控えめにすることで、酒粕の風味が生きる。粕のあえものは、野菜を小さく切って塩もみし、さっと水洗いして酒粕で和える。さっぱりとした箸休めに向く一品。かす漬は、野菜や魚、果物、肉類を塩ふりしてから酒粕と交互に重ねて漬ける。粕の間にガーゼを挟んでおくと、取り出しやすくなる。魚や肉は焼いてから漬けるとよい。

また、肉や魚、野菜などの長期保存には、酒粕漬けが有効であるとも書かれている。アルコール分が腐敗を防ぎ、風味も損なわないという。こうした料理を通じて、当時の家庭では酒粕を日常的に活用していたことがうかがえる。

ふみ粕は1kg入りで、近くの食品店で取り扱っていたという。発酵食品の魅力を伝える地元蔵元の取り組みが、紙面からも感じられる。

 

 


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