トマト・ナス・瓜はライ麦畑の間に(S30.6.10デーリー東北)
1955年6月10日
2025年11月28日
昭和30年6月10日のデーリー東北に、いかにも北東北らしい興味深い記事が載っていました。
舞台は軽米町にあった岩手県農業試験場九戸分場です。

当時の同分場では、トマト・ナス・ウリ類の苗をライ麦畑の中で育てるという栽培試験を行い、その成績が良好だったと発表しました。ポイントは、背丈のあるライ麦が“天然の防風林”となったことです。
とくに北東北では、冷風害や遅霜が夏野菜栽培の大敵でしたが、ライ麦畑の間に植えた苗はこれらの被害をほとんど受けなかったとのこと。生育も順調で、実用的な効果が確認されたようです。
分場長は、「青森県南から岩手県北にかけての遅霜常襲地帯では、ぜひ試してみてほしい」と呼びかけています。
まだビニールハウスが普及する前の時代、地域の気候に合わせて試行錯誤しながら夏野菜の安定栽培を目指した、当時の工夫が伝わってくる記事でした。