盛岡の八幡町遊郭では娼妓にアンケート取って改革します!(S5.3.1岩手日報)

昭和5年3月1日の岩手日報には、盛岡市八幡町の貸座敷組合(遊郭)において、時代に即した改革が実施されることが報じられている。

記事によれば、貸座敷組合では、当時約80名にのぼる娼妓に対しアンケートを実施。その結果を踏まえて、以下のような改革案が採用された。

  • 勘定書は仲居に持たせることとし、娼妓の手当を増額すること
  • 1時間制を導入し、料金は1時間1円50銭とすること

これまで、勘定に関する書類ややり取りは番頭が一手に担っていたが、これを仲居が担う形に改め、娼妓自身の取り分が増えるよう調整されたという。また、これまで不明瞭だった時間単位での営業にも区切りを設け、「1時間制(1時間あたり1円50銭)」を採用することで、より透明な制度とすることが狙いとされた。

盛岡警察署長もこの改革について、

「遊興を猛烈に誘う結果にならないのであればいいのではないか。娼妓たちの生活も明るくなるなら喜ばしいことだ」

とコメントしており、行政側としても、生活改善の一環として理解を示している様子が伺える。

昭和初期、娼妓制度をめぐる議論は全国的にも高まっており、このように現場の声を踏まえた制度改革は、当時としては注目すべき動きであったといえるだろう。


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