米内内閣の政務次官・鶴見祐輔が来県し対米情勢について語る(昭和14年8月10日)
1939年8月10日
2022年1月16日
昭和14年8月11日の岩手日報より。
米内内閣で内閣政務次官となった鶴見祐輔代議士は、岩手県選挙粛清委員会のため盛岡に来ていた。
そして水沢と一関にも立ち寄ってあわただしく帰京したが、岩手日報の記者に対米問題について語っていた。
米国の通商条約破棄(日米通商航海条約)はあまりに突然の通牒で、アメリカの真意がどこにあるか分からない。
日英会談の最中にこのようなことをされると非常に遺憾だ。
破棄するならするで、一言の挨拶ぐらいあるものだ。
私の観察からすると、アメリカ国内は経済的に良くないようだが、大統領選挙を控えてルーズベルト大統領が国民感情に訴えようとしたのではないか。
しかし実利の点から日本との貿易を断絶できるのかはなはだ疑問だ。
テキサス州の綿の半分は日本への輸出で占めている。失業者を出してまで条約破棄を敢行できるのかどうか。
事業家方面がこれを黙視している筈は無いと思うが、いずれ対米関係を有利に導くことができればいいと思っている。