釜石鉱山では鶴嘴片手に無休の正月
1945年1月1日
2021年10月15日
〽️海の男の艦隊勤務 月月火水木金金
休みなく働くことを称揚した軍歌「月月火水木金金」は、本来は戦争の激化により休みがなくなっていく海軍の状況を自嘲的に「これじゃ月月火水木金金だよ」と誰かがこぼしたのを真に受けて作詞されたものであると言われている。
昭和20年の釜石鉱山の正月は、その「月月火水木金金」を地で行く状況であったようだ。
そもそも岩手日報の特派員がわざわざ正月に取材に行くということ自体、「今年は正月返上でやりますから見に来てくださいよ」といったやりとりがあったのではないだろうか。
まさにブラック企業、いや、戦争という行為自体が世の中全体をブラックにするのだ。
物量の豊富であったアメリカですら「Go ahead, Please take day off」(どうぞ休んでください)と出っ歯のジャップが悪魔的な笑顔で休暇を取ることを皮肉っているポスターがあったほどだ。
このようにして、国の片棒を担いで休みを取ることに罪悪感を覚えさせる社会的な扇動を新聞は行なっていたのだ。
あまつさえ、それまで女人禁制であった鉱山が、決戦体制により女性も鉱山入りできるようになったのだという。
そんなことで女人禁制が解除できるなら今までは何だったの?
しかし、それが昔話であるとは思えない。
2020年からのコロナ禍でも、それまでしてこなかったテレワークを、日本の企業はいとも簡単にやるようになったではないか。
日本という国は、黒船の昔から何らかの強い外圧がないと何も変わらない国なのだろうか?