国鉄加賀山総裁が盛鉄局長室で会見「山田線復旧はどうなる?」(昭和25年10月9日)

国鉄の加賀山之雄総裁は昭和25年10月9日10:58、盛岡駅到着の列車で釜石線開通行事のために盛岡に来る。

昭和25年10月10日岩手日報より

9日11時からは、盛岡鉄道管理局長室で記者会見に応じた。

  • 山田線復旧計画に変わりはない。治山治水工事の実態を理解してから。
    26年度予算には計上するには至っていないが、見捨てるつもりはない。
  • 国鉄の共産分子追放の時期や方法はまだ決まっていない。
  • 地方税法の改正で国鉄にも付加価値税や固定資産税が賦課されれば国鉄経費を根本的に考える必要がある。
    また、地方の河川などに示された公共工事的な国鉄の工事や採算の見込みの立たない鉄道の復旧や建設もご破算になるだろう。
  • 国鉄職員の給与については独立採算制の範囲内で国鉄財政に余裕がなければできない。しかし増収に全力を挙げる一方、経費を節約し、特に石炭節約に優秀な成績を挙げているので補正予算を臨時国会に提出するつもりで、代替基本給与の1か月分ぐらいを年末に間に合うように繰り上げ支給できると思う。
  • 小本線の延長は全国に産業開発線その他50か所ぐらいあるが、国鉄だけでどうにかするとかではなく、権威ある期間を設けて地元の意見を聞きながら議論するのが適当ではないか。
  • 青森に鉄道管理局を開設する噂については、国鉄では今のところ考えていない。

その後15時からは「山田線復旧懇談会」に出席。

参加者は以下の通り。

  • 国鉄側:加賀山総裁、立花施設局長、丹羽盛岡工事事務所長、関盛鉄局長
  • 国会議員:川村松助(参-自由)、鈴木善幸(衆-自由)、千田正(参-無所属)
  • 岩手県側:国分知事、阿部副知事、小泉盛岡市長、中屋宮古市長、地元関係代表20名

国分知事から山田線復旧を要求。
加賀山総裁は「治山治水工事の実態をにらみ合わせて復旧を考えたい。まずは釜石線全通式を無事に行いたい」。

16時半に散会。

 

 


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