ビキニの「原子マグロ」を積んだ貨車が一ノ関駅で発見(昭和29年3月18日)

昭和29年3月19日の岩手日日より。

この年の3月1日、ビキニ鑑賞で水爆実験が行われ、第5福竜丸が被爆した。

その際の放射能の被害を浴びたマグロは、すでに全国で貨車で積み出されいたのである。

3月14日に水揚げされたマグロを、焼津から東京に運んだ貨車(レテ10029)が一体どこへ行ったのか国鉄が総力を挙げて探していた。

その結果、大宮駅から尻内駅まで改装される途中の一ノ関駅で発見したのである。

3月18日に至り、「放射能の残っている貨車を探せ」と言う指令が盛岡鉄道管理局配車課に入り、それが一関公安室に入ったのは午前9時半ごろ。

そして、尻内行きの列車が入ってくると同時に、一ノ関駅に留置かせ、岩手医大に測定器がないか問い合わせたら無いと言うのである。

仕方がないので、その貨車だけ新鶴見駅に逆戻りさせることになった。

このため、次の行貨物列車に連結して、盛岡に送ることになった。

 

ちなみに、貨車の番号の「レテ」のうち「レ」は冷蔵車を示すが「テ」は特殊表記符号といい、この場合は天井に氷の冷蔵庫があることを示していた。

 

 


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