「ハハのんきだね」石田一松のガン闘病に同僚芸人が助け合い運動(昭和31年1月14日)
1956年1月14日
2022年1月14日
昭和31年1月14日の岩手日報より。
岩手県には関係ないニュースではあるが、岩手日報で報じられていたので。
「ハハのんきだね~」で知られる石田一松は、この年の1月11日に胃ガンで逝去している。
戦後すぐは代議士に当選して活躍していたが、長年のヒロポン中毒で体はボロボロであったという。
ガンが発見されてからは治療費が1日5,000円もかかり、生活苦に追い込まれていたという。
一見華やかな芸能界も、いったん病気になるとこのようなみじめな境遇に陥るということも多かったようで、柳家三亀松、宝井馬琴といった寄席芸人は相互扶助組織を作ろうと動いていた。
前年12月27日には新宿末広亭で「石田一松を助ける会」が開催され、以下の芸人が無料出演を申し出たという。
- 内海突破
- トニー谷
- 徳川夢声
- 古今亭志ん生
- 春風亭柳橋
- 桂文楽
- 玉川勝太郎
- リーガル千太・万吉
- 川田晴久とダイナブラザーズ
開場となった末広亭も会場料を取らなかった。
そして興行収入17万円が石田一松に届けられ、涙を流して喜んだのだという。
そして、一松が死んだ後、芸能人同士の互助会の必要性を改めて感じるのであった。