釜石ホンダ販売で全製品展示会(S42.11.24岩手東海新聞)

昭和42年11月24日の岩手東海新聞には、釜石ホンダ販売が主催する全製品展示会の広告が掲載されている。展示会は11月25日が及新マート中妻店隣、翌26日は及新マート只越店隣の会場で開催された。当時の及新(おいしん)は、釜石市内で百貨店として広く知られていたが、同時にスーパーマーケット事業にも進出しており、こうした会場の提供は地元密着型の取り組みの一環だったと考えられる。

展示内容には、人気の軽乗用車N360(32万3千円)や、それをベースにしたライトバン仕様のLN360(31万8千円)、さらには新発売の軽トラックTN360(30万8千円)などが含まれ、来場者にはN360の試乗体験も用意されていた。加えて、ホンダを代表するオートバイとして、スーパーカブやツーリング車も展示されており、当時のホンダ製品が家庭用から業務用まで多様なニーズに応えていたことがわかる。

後援には岩手ホンダ販売株式会社盛岡営業所、ホンダ技研工業熊谷製作所、そしてホンダF・盛岡工場の名が見える。これらから、販売のみならず製造部門とも連携したイベントであったことが読み取れる。当時、モータリゼーションの波が地方にも押し寄せていた時代背景の中で、このような展示会は市民の関心を集め、にぎわいを見せたことだろう。釜石の町と企業、そして市民生活が結びついていた様子を今に伝える、貴重な広告である。


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