本州で最後の手動交換局・山根局が自動通話化(昭和53年12月13日)

その昔、電話は「電話番号を押せばすぐに通話できる」というものではなかった。

まずハンドルを回して電話局の交換手につなぎ、相手先の電話局と番号を言って交換手につなぐ作業をしてもらう。
その間、いったん電話を切る。

そして向こうがつなぐ作業が完了したら、交換手から電話がかかってきて「お話しください」となる。

そしてその「電話交換手」は、女性の主要な仕事の一つだったのだが、昭和30年代半ばから、ダイヤル式の自動通話が浸透し、その女性交換手が要らなくなってきた。
これは昭和36年の映像である。

そして時は流れて昭和53年。

いよいよ、本州では岩手県久慈市の山根局と、福島県福島市の茂庭局が最後となってしまった。

12月13日13時58分、山根生活改善センターに設置された切り替え本部で、久慈電報電話局長が、旧局舎切断のボタンをおす。

そして14時過ぎ、新局舎への接続指令を出し、ここに自動化への切り替えが完了したのだった。

それまで手動で電話交換を行っていた山根郵便局では、交換業務終了の記念式典が行われ、東北郵政局長までが参列した。

「最後の交換嬢」となった57歳の女性には、花束が贈られた。
山根郵便局長は「時代の流れとは言え、局を閉鎖するのは子供を手放すのと同じだ」とコメント。

14時半からは山根小学校の講堂で山根地区電話自動化促進協議会による祝賀会が行われ、以下のようなことが行われた。

  • 久慈市長と県選出の鈴木善幸代議士との通話
  • 山根小学校児童代表が、鹿児島・中種子町立岩岡小学校児童代表と通話
  • 岩手日報社提供による井上一子民謡ショー
  • ふるさと電話コーナーで無料通話

 

 


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