食料品・日用品の卸相場(昭和元年12月27日)
1926年12月27日
2026年1月5日
昭和1年12月27日の岩手日報を開くと、新元号が始まって間もない時期の空気感が生々しく伝わってきます。紙面に掲載された卸し相場の表には、当時の岩手の人々の営みを支えた品々が並んでいます。
まず目を引くのは主食であるお米の価格です。精白米1石、つまり大人が1年間に消費すると言われる約150キログラムが28〜35円前後で取引されていました。当時の物価水準を考えると、これが生活の絶対的な基準であったことが伺えます。
食肉の相場を見ると、牛肉が1斤あたり40銭かであるのに対し、豚肉は30銭ほどでした。牛肉は高級品であり、庶民にとっては現在よりもずっと特別なご馳走だったに違いありません。
また、味噌が10貫目という約37.5キログラムもの大きな単位で記載されていたり、地酒が1升単位で取引されていたりと、量り売りや樽売りが主流だった時代の商習慣が透けて見えます。砂糖や西洋紙の価格も並んでおり、これらは当時の岩手における物流の要となる品目だったのでしょう。
大正から昭和へと時代が移り変わった直後のこの日、岩手の人々は新しい時代の幕開けを感じながら、これらの品々を手に取っていたはずです。新聞の片隅にある数字の羅列は、単なる記録ではなく、99年前の冬を生きた人々の暮らしの足跡そのものと言えます。