釜石にはびこる鉄屑泥棒
1938年3月4日
2021年12月12日
昭和13年3月4日の岩手日報より。
「鉄の都」として軍事的にも重要な位置にあった釜石であったが。釜石製鉄所構内から鉄屑や鉄製品を盗み出す少年窃盗団が検挙されたという。
この少年たちが自白しただけでも75件。200円前後であったというが、この手の被害が増加しており、警察では全滅の為に努力していくとしていた。
また、盗み出される鉄屑があれば、それを買い受ける古物商があるわけで、中には床下に穴をあけて証拠隠滅を図る者もあったという。
こちら方面への捜査も行う方針であった。
これら一連の事件を受け、警察と市内の古物業者は、「釜石製鉄所の所有物であることが判明した場合、即時無償で製鉄所に変換する」という申し合わせをしたという。
これが「鉄都」釜石のもう一面であった。