障害を乗り越えて頑張ってるのに父がDQN過ぎて(S30.11.29)
1955年11月29日
2025年9月1日
昭和30年11月29日、岩手県花巻市轟木の農家で、家庭内の深刻な問題が原因となり、父親が息子によって殺害される事件が発生しました。
加害者である息子は、大正15年5月10日生まれで、幼少期に小児麻痺を患い、下半身の運動が不自由でした。その障害を抱えながらも懸命に農作業に励み、家族の生計を支えていました。一方、父親は事件当時52歳で、家庭を顧みず、農地や財産を売却しては酒や遊興に浪費を繰り返していました。母親が昭和29年12月に他界した後、父親の行動はさらに悪化し、生活に必要な米までも浪費のために持ち出そうとするなど、家族は困窮を極めていました。
事件当日、息子が自宅の作業場で稲の穂打ちをしていると、父親がやってきて隣家に預けた米を持ち帰るよう命じました。息子がこれを断ると、父親は怒り、履物を履いたまま息子の腿や腰を蹴りつけました。この暴行に耐えかねた息子は、手にしていた木槌で父親の頭部を一撃しました。その後、父親が再び起き上がる様子を見て、家族のためには自分が犠牲になってでも父親を殺害するべきだと考え、木槌で数回にわたり父親の頭部を打ちつけて死亡させました。
息子は事件後すぐに警察に自首しました。昭和31年4月12日、盛岡地方裁判所での裁判では、家庭環境や犯行の動機が考慮され、情状酌量により懲役7年の判決が下されました。この判決は控訴・上告を経て最終的に確定しました。
この事件は、父親の行動による家庭崩壊と、障害を抱えながら家族を支え続けた息子の苦悩を象徴するものであり、家庭内問題がもたらす悲劇を浮き彫りにしました。