盛岡日活で「男が命を賭ける時」「青春を吹き鳴らせ」公開(S35.1.14岩手日報)

昭和35年(1960年)1月14日の岩手日報の紙面を眺めていると、当時の活気がそのまま伝わってくるようです。

まず目を引くのは、日活映画の二大作を告げる大きな広告です。メインの「男が命を賭ける時」は、当時の若者のカリスマだった石原裕次郎と、清楚な魅力で人気を博した芦川いづみの黄金コンビ。秋田の大油田を舞台にした総天然色の活劇超大作という文字からは、スクリーンから溢れ出すような熱気が想像できます。

併映の「青春を吹き鳴らせ」も豪華な顔ぶれです。岡田真澄やペギー葉山、そして「黒い花びら」で一世を風靡した水原弘など、当時のスターたちが名を連ねています。娯楽の王様が映画だった時代、これらの名前が並ぶ新聞広告は、街の人々にとって週末への大きな楽しみだったに違いありません。

映画の華やかさの一方で、その上部にあるスキー場だよりからは、当時の岩手の日常が垣間見えます。網張、八幡平、国見といった各地の積雪量や天候が細かく記されており、スマホのない時代にスキーヤーたちがこの情報を頼りに雪山を目指した様子が目に浮かびます。

また、同じ紙面には「新・三等重役」の広告や、痛ましい交通事故の統計なども並んでいます。煌びやかな銀幕の世界と、厳しい冬の現実が隣り合わせにある。この一枚の紙面には、高度経済成長期へと突き進む日本の、力強くも等身大の空気が凝縮されています。

60年以上前の1月14日、この新聞を手にした人々はどんな思いでこれらを眺めていたのでしょうか。古い紙面は、私たちに当時の温度感を静かに、しかし鮮明に語りかけてくれます。


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